高田派の作法

高田派の作法

真宗高田派の教義について

真宗のご開山(ごかいさん)は親鸞聖人です。鎌倉時代にお念仏の道を明らかにされ私達に南無阿弥陀仏の尊き教えをお伝えくださいました。真宗高田派ではこの大切な教えを連綿と受け継ぎ約800年以上も法灯として守り続けています。

親鸞聖人のお念仏の教えを受け継ぐ教団として現在いわゆる真宗十派と呼ばれる教団が活動しています。高田派のほか、本願寺派、大谷派、佛光寺派、興正派、木辺派、出雲路派、誠照寺派、三門徒派、山元派があります。

私達高田派の本山は三重県一身田の高田山専修寺です。
親鸞聖人が関東下野国(しもつけのくに現在の栃木県)を布教されて念仏の教えを説かれたことをご縁として専修寺は誕生します。その後戦国時代の厄難を受け伊勢国(現在の三重県)に本山機能を移転し現在に至ります。

高田派の作法について

お念珠は一心に憶念するするときの珠であり何回数えたかを覚えておくたまではないことから数珠とは言わず念珠と言います。
高田派の作法では念珠はまず左手で親玉を上にして持ち総(ふさ)を前方に倒して持ちます。
合掌するときは親玉を上にしたまま両手を言えて合わせ総を左にして念仏を唱えます。

高田派の念珠の作法
高田派の焼香作法は
  1. 焼香台の前で一礼
  2. 右手でお香をつまみ横一文字に三回ゆっくり薫じます。
    お香は押しいただく必要はありません。
  3. 念珠を両手にかけて合掌しお念仏を三回唱えて頭を下げかたがた二回称えます。
  4. ご本尊を仰ぎ一礼して退席する。
高田派の焼香作法

高田派のお仏壇について

真宗高田派の本尊は阿弥陀さまです。正式には阿弥陀如来像と言います。
お仏壇の真ん中に置かれています。絵像の掛軸や木像となっています。
また南無阿弥陀仏の六字の掛軸をかける場合もあります。
いずれも私達の礼拝の中心として感謝と敬いの心で合掌させていただくものです。
新しくお仏壇をとお考えの場合は本山進納所でお受けしています。
お手次の寺院にご相談ください。

高田派の仏壇は伝統的な金仏壇仕様です。彫刻や飾りでお浄土の象徴として表現されています。
芳しいお香を焚くこと、美しい花を飾ること、明るい光を灯すこと、これらは全てお浄土の美しいさまを具体化したものです。
それらを基本に毎日の参拝から法要等の行事まで丁寧にお世話しましょう。

真宗では宗祖親鸞上人が示された「弥陀一仏」も教えをいただいていますから、お仏壇には阿弥陀さま以外の仏像やお札やお守り、水を入れたコップ、亡くなった方の写真などは入れないようにしましょう。信仰の対象は阿弥陀様でありお仏壇は亡くなった方を安置する場所ではないということです。

お葬式について

お葬式は親族や縁のあった方々が集って営む故人との最後のお別れの儀式です。地域によって儀式の信仰や様式が異なる場合もありますがここでは一般的なお葬式の流れを説明します。
亡くなられてご自宅などにご遺体を安置されたらまずは枕経をお勤めします。
葬儀式の日程が決まると前日の夜に通夜のお勤めを行います。昔から夜を通して最後おの別れを惜しみ故人を偲ぶ話などをして過ごします。
葬儀式は親族や縁のあった方々が焼香や献花をして故人と最後のお別れをする儀式です。厳粛に営まれますので焼香の作法や念珠の持ち方など高田派の作法にご留意ください。
通常、葬儀式が終わると斎場で荼毘(火葬)に付されます。収骨後お手次のお寺に参拝することが一般的です。

ご命日から七日ごとを中陰といって七回のお勤めを行います。初七日(しょなのか)はなくなった日から数えて七日目となります。その後七日ごとにお勤めをし七回目に七七日(なななのか)の満中陰法要いわゆる四十九日の法要をお勤めします。

法名とは仏門に入門するときにいただく名前のことです。仏法に帰依しお釈迦様の弟子になることから釈の一文字を頭にいただいて釈〇〇と名付けられます。真宗高田派では正式に本山で帰敬式(おかみそり)を受けた方に授与されます。生前に法名を授与されていない方がお亡くなりになられた場合はご法主に代わってお手次の住職が「おかみそり」の式を行います。

真宗高田派のお葬式では清め塩は使用することはありません。これは仏教の教えとは無縁の習俗によるもので死をケガレと扱う行為で念仏に導かれる私達にはありえない考え方です。
また友引に葬式をしないなどの風習もただの語呂合わせでできた風習であり仏教とは関係のないことですので全く気にする必要はありません。そのほか四十九日を三月に渡らないととか旅姿の死装束なども仏教の教えとは無縁の根拠のない迷信や習俗ですのでくれぐれも惑わされないようにお気をつけください。